男性更年期障害

「男性更年期障害」という言葉をご存知でしょうか。
最近では男性にも女性と同じように更年期が存在することが一般的に知られるようになりました。
原因は男性ホルモン(テストステロン)の低下です。
その主な症状は
1.身体症状:筋力の低下、骨粗鬆症
2.精神症状:記憶の低下、意欲の低下、うつ症状
3.性機能症状:勃起障害(ED)、早朝勃起の回数減少
などが現われます。

これらの症状などに「AMSスコア」という値問票で簡単に調べることができます。
「もしかして更年期?」と思われたら一度来院してみて下さい。

基本の治療

《男性ホルモンを増やす》
男性ホルモン「テストステロン」を2~4週間間隔で注射します。

《hCGホルモンの補充》
男性ホルモンを作る指令を精巣に伝える「hCGホルモン」を2週間間隔で注射して、精巣からの男性ホルモンの分泌を促します。

《男性ホルモンの塗布》
男性ホルモンの軟膏を陰嚢の皮膚に1日に1~2回ほど塗ります。
前述の2つの治療に比べて安定したホルモンの補充ができます。

《漢方薬の服用》
男性ホルモンの値はあまり低下していないのに症状が強い場合
1:柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウユツボレイトウ)
   冷え・のぼせ・うつ症状・ED(勃起障害)に効果を示します
2:補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
   体力が低下している場合に効果を示します。

《効果がなかった場合》
   例えば精神症状が強い(うつ症状など)場合は、心療内科・精神科に紹介、相談も行っております。

日常生活でできること

男性ホルモンが低下しないように、進行予防を目的に日常生活を見直すことも重要です。
《食事》
たんぱく質を積極的に取りましょう。
たんぱく質の少ない食生活を続けると男性ホルモンが低下するため、野菜だけでなく肉、魚をバランスよくしっかり取るといいでしょう。

《適度の運動》
無理のない運動や散歩、軽いジョギングを定期的に続けましょう。

《他の人との交流》
人と会話をしたり交流を持つことで、楽しい時間を過ごしましょう。

《生きがいを見つける》
趣味活動には男性ホルモンを増す作用および、ストレスを発散する効果も期待されています。

《睡眠》
脳の指令は睡眠中に精巣に伝えられるため、質の良い適度な睡眠が重要です。
精巣は朝起きたときに男性ホルモンを分泌します。

男性ホルモンを減らさないためには規則正しい生活を心がけて、十分に睡眠をとることが大切です。